完全に表情が固まっているマイダーリンを見て、思った。
やってしまった、と。
「俺はいつからお前の旦那になったんだ」
「だって、あまりにもイケメン光線が強すぎて、つい…」
「何だよイケメン光線って。そして俺を手で隠そうとするな」
「だから、イケメン光線が強いんですってば…!ああ、近付かないでぇーっ!」
自分の心の中だけの呼び名にしておこうと思っていた、マイダーリンという名前。
それが本人に知られてしまったというダメージは、予想以上に大きくて。恥ずかしくなって、自分でも意味が分からない事を口走っている。
何?イケメン光線って。あたし、完全にイタイ子じゃんか。
「うぅーっ!泣きたいから、あんまり突っ込まないで下さいーっ!」
「言ってる意味が分からないんだが。お前、変なヤツだな」
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