俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~




そう小さく呟くマイダーリンは、あたしから視線を逸らし、口元を手のひらで覆っていて。


そうか。顔がほんのり赤く染まって見えるのも、あたしから視線を逸らしているのも、全部全部。


マイダーリンが、照れている証拠なんだ。




「可愛いですね」



「男に可愛いなんて言葉を使うな。…ただ、女を泣かせるのだけは、何だか苦手でな」




どうしよう。

意外な一面を発見してしまった事により、あたしの中の“スキ”のパラメーターが、どんどん急上昇していく。


迷惑だって思われるだけなのに、溢れ出す気持ちを止める事なんて出来ない、絶対に。




「あの…」



「何だよ」



「もういいですから。あたし怒ってませんし、マイダーリンの言う通り、相手の気持ちを考えて行動してませんでした」




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