俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~




やってしまった、と頭をブンブン振り回したくなる衝動に駆られていると、突然マイダーリンがベッドに腰を降ろした。


そして、何やら手招きをしている素振りを見せて。




「近くに来い」



「は…はい…」




恐る恐るベッドに近付くと、思いっきりビビッているあたしに対して、盛大なため息がひとつ落とされた。


あたしの瞳には、眉をハの字にさせているマイダーリンの姿が、鮮明に映し出されていて。


何が何だか分からないまま、マイダーリンの口が開くのを待った。




「…そんな顔をするな」



「へ?」



「お前、泣きそうな顔してるだろ。というか、さっき俺が泣かせたばっかりか」




頭をクシャッとさせて、何かボソボソ呟くマイダーリンを見ると、謎は深まっていくばかりだ。




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