「それじゃ、俺は今から出掛けてくるから」



「え?晩ご飯食べないんですか?」



「ああ、約束があってな。おばさんには伝えてあるから大丈夫だ。

――テスト、頑張れよ」




そう言い残して、颯爽と部屋から去っていく先生に、あたしはただポツンとその場に立ち尽くしていた。


今起こったことが、信じられなくて、現実だと思えなくて。




「テスト明日だって、知ってたんだ……。先生、もうあたしに話しかけてくれないと思ってたのに……」




あたしは、フラれた。

俺への気持ちを忘れてくれ、そう言われた。



それなのに先生は、こんなあたしに対して、頬を赤らめながらも優しく接してくれた。


こんなことしたら、あたしの先生への想いが再び溢れ出てくることは単純に予想出来たはずなのに。




「先生、やっぱりあたし……」




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