あたしはそっと握り拳を作ると、先生と目を合わせた。
「どうしたんですか……?」
「とりあえずここではなんだから、俺の部屋に来てほしい」
そう告げて、ひとり部屋に戻っていく先生の姿を見ながら、あたしはポカーンと突っ立っていることしか出来なかった。
確かにあたしは、先生にフラれた。
俺への気持ちは忘れろ、そう言われた。
だから、必要以上に接さないようにしたし、家の中で会わないようにもした。
なのに、何故!?
なんで先生から接近してきて、しかも部屋に連れ込むの!?
先生は由梨さんが好きなんだよ?忘れたくても忘れられない、大切な人なんだよ?だから、お願いだから……あたしの心をかき乱さないで。
必死に抑えていた、先生への気持ちが溢れだしてしまいそうだから……。
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