俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~




「はい、柚。これあげるわよ」



「え、絵梨にゃん……?」




そう言ってあたしの手に渡されたのは……温かいココアの缶だった。


きっと、自動販売機で買ってきてくれたものだ。




「柚がずっと頑張ってたの知ってたし、明日から努力が報われてほしかったから。それ飲んで、明日から頑張ろう」



「……ありがとう!!一生大事にする!!」



「ダメよ。一生大事にしたら腐る。早く飲みなさい」




クールな表情でツッコミを入れる絵梨にゃんをよそに、あたしは貰ったココアの缶を頬にすりすりして、絵梨にゃんの優しさに触れた。


やっぱりクールで毒舌でも、あたしは絵梨にゃんが好きだ。


いっそのこと、絵梨にゃんが男の子になってくれれば――




「何考えてるのよ。あたしはイヤよ」



「ガーン」




.