俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~

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「帰りのHR始めるぞー!まず、明日から期末テストだ。日程はもうみんなチェックしてると思うが、気を抜くなよ。特に俺の国語は!!」




熱弁している桐生っちをよそに、あたしはこれまで頭に蓄えていた知識を、脳内で整頓していた。


あっという間に、明日からは期末テスト。


これが終われば……クリスマス。


池谷くんと過ごすことになるであろう、クリスマス。



本当に、池谷くんと過ごしてもいいのかな……?


これがきっかけで、あたしは先生のことをちゃんと忘れられるのかな……?




「それじゃ、明日から頑張れよ!解散!!」




考え事をしている間にも桐生っちのHRは終わり、教室から出て行った。


……違う。今は先生や池谷くんのことを考えている場合ではない。


目の前に迫っている、留年の危機を回避しないと!!



決心を鈍らせないように立ち上がろうとした瞬間、頬に何か温かいものが触れた。




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