俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~




心が揺れ始めた、その時だった。




「柚、それじゃ勉強しよっか」



「へ?」



「何ポカーンとしてんの?今日早く学校に来た目的は、テスト勉強をするためなんだけど」




……そうだった!!

あたしったら、池谷くんの作る甘い空気に翻弄されて……。


少しでも揺らいでしまったあたしに、げんこつをお見舞いしてやりたい!!





「やっぱり柚、最高。今すぐ俺のものにしたい」



「って、池谷くんってば!!すぐにそういうこと言わないで!!」



「顔真っ赤だよ、柚。そうやって少しずつ俺のこと意識してくれればいいから。じゃ、勉強するか」




……池谷くんのイジワル。


あたしは、真っ赤になった顔を手のひらで覆って、心臓の鼓動を抑えようとすることしか出来なかった。




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