池谷くんとは、目が合ったまま。
思わず固まってしまう。
池谷くんの表情は、真剣そのもの。
「テスト終わったら遊びたいって言ったじゃん?一緒に……クリスマス、過ごしてくれない?」
「えっ……?」
「本当に柚は、俺にとって大切な子だから。俺が笑顔にしてやりたいから。先生のことで苦しむ柚ごと、俺で包んでやりたいから」
池谷くんは目を大きく開いて口をパクパクさせているあたしの頬を、ギュッと摘まんだ。
「え、ええっ……?池谷くん……!!」
「どんな表情も可愛い。だから柚のクリスマス、俺に頂戴?」
どうしよう。池谷くんが、あたしの心をかき乱していく。
先生の代わりに、池谷くんが傍にいてくれるの――?
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