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「夢、か……」
目の前には、真っ暗な天井が広がる。
最近やっと見慣れてきたこの風景を見て、ここは居候先の桜井家だとやっと気付いた。
それにしても、夢を見るなんて久しぶりだ。きっと、日々の勤務に疲労を感じているのだろう。
近くに置いてある目覚まし時計を見ると、現在の時刻:5時30分。
今日も勤務だし、そろそろ起きるか。
俺はベッドの上で大きく背伸びをすると、カーテンを開け、部屋の電気を付けた。
もう季節は冬になる。まだ外は暗いままだ。
俺はまだ寝ているであろう隣の部屋にいる院長の娘――柚希を起こさないように、そっと部屋を出た。
アイツはもうすぐ迫っているテスト勉強で夜遅くまで起きているらしい。
だから、少しの物音でも、アイツを起こしたくない。
これが、俺が出来る一番の気配り。
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