「……返事、したのか?」
「まだ。考えさせてって言ってある」
実は優しい水樹なことだから、自分だけで答えを決めたくなかったんだろう。
……だからきっと、そんな水樹のことを、由梨は好きになったんだと思う。
俺は水樹と向かい合ったまま、自分の胸の内を明かす決心をした。
「水樹は正直、由梨のこと、どう思ってるのか?」
「朔夜……?」
「俺は水樹のしたいようにすればいいと思う。俺のことなんて気にしなくていい。……好きなのか?」
俺の言葉に、水樹は静かに……頷いた。
「ごめん。ただ俺、朔夜の気持ちに気付いてながらも……こんな選択をしたくない」
なぁ、水樹。
俺はずっと、“3人”で一緒にいれることが何よりも嬉しくて、心強かったんだ。
こんな俺を仲間に入れてくれて、毎日が輝いてたんだ。
だからそんなお前達には、悔しいけど、幸せになってほしい。
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