俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~




いつも通りの絵梨にゃんの態度にほっとしつつ、あたしはふと窓の外を見る。


――そういえばあの日も、今日みたいな晴天だった。


目を瞑り、涙をこらえる。



絵梨にゃんにだけ、先生にフラれてしまった話を一度だけしたことがある。確か、フラれて少し経った時だった。


放課後、教室にふたりきりになったときに、明るく「フラれちゃった」とだけ言ってみた。


絵梨にゃんは、「そっか」とだけ言い残し、詳しくは聞いてこなかった。


もしかしたら、絵梨にゃんは何かを知っているのかもしれない。由梨さんから何かしら聞いているかもしれない。


だけど、あえて触れてこない絵梨にゃんの優しさが、心地よかった。




「どうしたの、柚。何か外に面白いものでも見える?」



「ううん。絵梨にゃんはやっぱりあたしのにとっての大事な友達だなって思って」



「何それキモイ」



「え?普通そこ喜ぶところでしょ?絵梨にゃんひどい!!」




ありがとう絵梨にゃん。

いつも通り接してくれる絵梨にゃんは、すごく優しい人。




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