辛い。
傷ついた表情を見せる先生を見ることも、これからあたしが迎える展開を予想するのも、何もかもが怖い。
必死に涙を引っ込めようとするけど、それは逆効果。
あたしの瞳からは、大粒の涙がこれでもかというほど零れ落ちてくる。
「先生、あたしにはもう希望はないんですか……?傷ついてもいいです。だから、あたしは先生の傍にいたい。由梨さんの身代わりでいいから、傍にいたいんです……!」
あたし、こんなに好きになった人なんていない。
先生が桜井家に居候として現れた日。とてつもない衝撃が走って、先生に恋をしてしまった。
それからのあたしの生活は、先生を中心に回った。
池谷くんに告白された時だって、この思いは揺るぎはしなかったのに……。
「先生ッ……あたし、本当に先生が好きなんです……!!」
「……すまない。この中途半端な気持ちじゃ、お前の気持ちに答えることなんて出来ない。
――頼むから、俺への気持ちは忘れて、今まで通り接してくれ」
ハッキリと先生にフラれる日が来るなんて、思いもしなかった。
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