目の前に突然現れた由梨さんは、話を聞く限り先生の友達らしい。


そして先生は――いつも通り話しているものの、まったく由梨さんを見ようとはしない。


そんな先生の姿に、違和感を感じてしまう。




「そんなわけで、ごめんね邪魔して!朔夜、いつまでもそんなに無愛想だったら女の子にモテないよ?」



「余計なお世話だ、由梨」



「もう、朔夜は可愛げがないんだから。じゃあね柚ちゃん!絵梨とこれからも仲良くしてあげてね?」



「は、はい……!!」




元気よく返事をしたあたしを確認した由梨さんは、ニコッと優しい笑みを浮かべて去って行った。


そして、残された、あたしと先生。


そっと先生に視線を向けると、口もとを手で覆って何か考え事をしている様子だった。何を考えているのか、予想したくない。



だって、なんだか嫌な予感がするんだもん。

先生と由梨さんの関係なんて、考えたくもない。




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