そして、怪しい人を見るような目つきで水樹さんと先生のことを見ていた結果。
先生と水樹さんは高校の時の同級生ってことが分かった。
だからこんなにも仲良くて、先生がおしゃれなイタリアンのお店を知っていて連れてきてくれたのかあ。
「てなわけで!!俺はキッチンに戻るけど、朔夜と柚ちゃんはゆっくりしていってね!」
「ああ。水樹も元気でな」
ここのイタリアンのお店は、なんだかんだで有名店らしく、お客さんが増えてきた。
この状況を読み取った水樹さんは、手を振ってあたしたちの前から姿を消した。
嵐が去った、そんな気分。
「水樹のやつ、昔からあんな感じでさ。無理してないか?」
「全然!楽しそうな人でした!先生の高校時代、少しだけ覗いてみたくなりました!」
何気ない発言だったのに。
先生が少しだけ顔を歪ませたことを、あたしは見逃さなかった。
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