そんなアブナイ妄想が始まりそうになったところで、パスタを食べ終わった先生が手を挙げて、笑顔を見せていた。
その視線の先には、何かを映していて。
「久しぶり、朔夜。わざわざ来てくれてありがとう」
「相変わらず美味しかった。ごちそーさん」
先生が話しかけたその先には、茶髪の短髪をワックスで遊ばせていて、紺色のエプロンを身に着けた男の人がいた。
男の人はあたしたちが座っている席の横に来ると、あたしに視線を移した。
「あれー?朔夜がこんな可愛らしい女性を連れてるなんて珍しい!ねえねえ、名前教えてよー?」
「おい、堂々とナンパするなよ水樹(みずき)」
「あ、朔夜が睨んでて怖い。冗談だから許してくれよ」
困った表情であたしに助けを求めてきた水樹さんの第一印象は、とってもやんちゃそうなイメージだった。
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