リビングに入ると、ソファーに先生がひとりで座っていた。
細身のジーンズに白いシャツ、黒いジャケットを身に着けている私服姿の先生は、白衣の時と違った大人な雰囲気を醸し出している。
やっぱり……かっこいい。
「あ?やっと来たか」
「おはようございます……。お父さんとお母さんは?」
「朝早くから出掛けてったみたいだな。用があるとかなんとか言ってた気がする」
きっとお父さんとお母さんは、あたしと先生に気を使って用事を作ったに違いない。
気を使わなくていいところで、気を使うんだから。
「じゃ、行くか。準備バッチリみたいだしな」
「はい……!」
先生の後を追うように、玄関へと向かう。
初めての先生とのデート、ついに始まりです!!
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