俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~




悩み事があるときほど、時間が過ぎていくのは早い。


気付けば、あっという間に先生とのお出掛けの日になっていた。


お気に入りの水色のワンピースを着て、必死に大人な先生に近付こうと背伸びをするあたしの姿を、鏡が捉えている。


普段アレンジしない長い髪も、今日は朝早く起きてコテで巻いたりもした。


少しでいいから、先生に可愛いって思われたいから。




「もうすぐ時間だ。リビングで先生を待っとこっと」




今日は、1階のリビングで先生と待ち合わせることになっている。


ちなみに、お父さんとお母さんにも報告済み。


というか、先生から報告していた。


ふたりきりで出掛けるなんて初めてのことだから最初は驚いていたけど、何かを悟ったみたいで「楽しんできてね」という言葉をもらった。



なんで先生は、あたしとお出掛けしてくれる気になったんだろう。




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