「おはよう、柚」
「絵梨にゃん、おはよう!!」
学校に着くと、一足先に席に座っていた絵梨にゃんがクールフェイス全開で挨拶してきた。
そろそろ肌寒くなってきてるのに、絵梨にゃんのクールさは、もっと体温を下げてしまうよ、うん。
絵梨にゃんがたくさんいたら、きっと地球温暖化は解消されるんだろうな。
「って、何かいらないこと考えてるでしょ、柚」
「え、そんなことな――」
「口縫うわよ?」
「ごめんなさい……」
やっぱりあたしは、絵梨にゃんには一生逆らえません……。
力の差を痛感したところで、最近聞きなれてきた声が、あたしの耳を掠めた。
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