桐生っちに話をしてから、3日が経った。
今日は金曜日ということもあり、「明日はお休み」と自分に言い聞かせ、怠けた体にムチを打って学校に行く準備をする。
「ふわぁ……。眠い眠い」
大きなあくびをしながら、制服に着替えて、手早く準備をする。
そしてその足で洗面所へ向かい、洗顔や髪を整え、ダイニングに行くと。
「あら、おはよう柚」
今日も、ニコニコ笑顔で朝ご飯を用意するお母さんと、新聞に目を通すお父さんの姿があった。
あたしはお母さん特製のフレンチトーストをかじりながら、辺りを見回す。
やっぱり、この場に先生の姿はなかった。
桐生っちと話してから3日経っても、あたしは先生に対して、アクションを起こすことができないでいた。
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