俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~




あれから、先生はあたしに勉強を教えるのをやめた。


食卓で一緒に食事をする時も無言で、あたしより早く席を立ってしまうし。


廊下ですれ違っても、あたしと会話を交わすどころか、目すら合わせてくれないし。



まだ告白をなかったことにしていつも通り接してくれる、池谷くんのほうがよっぽど大人だな、と思ってしまうほど。



だから、不安になってしまった。


キスに応じたから、軽い女だって幻滅した?とか、

もうガキには興味がなくなったの?とか。


きっとあたしみたいな女子高生は、大人な先生に遊ばれてたんだ、と思い込むことにしたのに、


桐生っちは、言ってくれた。



「恋愛対象に入ってるんじゃないか?」って。




だから、あたしは追いかけるの。


先生のあのキスの意味を知るために。




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