机ひとつ挟んで向かい合うように座っている桐生っちを睨んでみる。


気付かれないように、そっと。



池谷くんは、告白してきてからも相変わらず勉強を教え続けてくれた。


あたしはどうすればいいか戸惑っていても、池谷くんは何も気にしていない様子で、普通に勉強会が進んでいったわけで。


距離感がいまいち掴めていないあたしは、池谷くんの態度に振り回されてばかりだった。



そして、あれから先生とは。




「ねぇ、桐生っち。

相談、したいことがある……」



「相談?なにかあったのか、桜井」



「うん。だって桐生っち、あたしの担任の先生でしょ?先生は、生徒が困っていたら、問題を一緒に解決してくれるんでしょ?」



「桜井、俺のことをちゃんと先生だと思ってくれてたのか……!」




そう言って何故か感動している桐生っちを置いてけぼりにして、ぽつりと、言葉を零した。




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