「久瀬くんが食べたいもので良いよ」 私は、あえてそこで自分の意見を言わなかった。 はじめてのデートだったこともあり、彼の基準を知らなかったからだ。 前に付き合っていた羽田先輩は、ランチには喫茶店やファミレスに誘ってくれた。 ファーストフードのお店には、入ったことがなかった。 逆に、その前に付き合っていた彼は、ハンバーガーの安い店を選んでいた。