「吉にぃ、綾香ちゃんはー」 日曜日の昼下がり、いつもの彼女の定位置には妹が寝転んでいる。 小型ゲーム機をピコピコしながら、何十分おきかでそうごねる。 「だから知らないって」 彼女がうちに顔を見せなくなってから、3日が過ぎていた。 今まで、風邪や旅行以外でこんなに長く顔を出さないことはなかった。 「吉にぃ、嫌われたんじゃない?」