「夕希は俺の、いろんな人になるんだ。母親だったり、姉貴だったり、妹だったり。 今日は俺に甘えてくれるから、妹。」




「へぇー… そんな風に思ってたんだ。」




「まぁ、姉と弟の方が多いけどな!」



彼が、ニッと笑う。




「えっ! 私、そんなに偉そう?」



顔を上げて、彼を見る。




「違うよ。お前がしっかりしてるって事! 俺がいつも甘えてる。」




「じゃあ… 薫も私にとって、お兄ちゃんだったり、弟だったりって事かな。
…何か… 家族みたいだね。 二人だけど…」





「…そうだな…」




彼がフッと笑った。






「あれ?…」


母、姉、妹…


何か、足りない様な気がする…