ヒュー・・・  ウゥー・・・



今夜は風が強い…



布団の中で、何度も寝返りをうつ。



時計を見ると、一時。




…眠れない… 明日早いのに…





私は子供の頃から風が強いと、なかなか寝付くことが出来なかった。



窓に打ちつける、うなる様な音が、私を緊張させる…




 バタン・・・



ドアの閉まる音。




薫、帰って来たんだ…




ちょっとホッとした。彼が近くに居てくれると思うと、少し安心する…




顔、見たいな…


でも、もう遅いし…





しばらくすると、彼の動く気配が、なくなった。



もう寝たかな・・・






「はぁ… 水でも飲むか…」



つぶやいて、起き上がる。




リビングに入ると、電気は消えていて、ちょうど部屋へ入ろうとしてた薫と目が合った。





「あっ… 起こしちゃった?」




声をかけてくれた彼の顔を見て、またホッとする。




「ううん… ちょっと… 眠れなくて。」



水を飲みながら答えた。




「どうした?」



そう言いながら、彼が近づいてくる。