「あ、コイツは春日大地(かすが だいち)。中学のときのクラスメイト」
「どーも」
にかっと笑ったのち、礼儀正しく頭を下げた彼に、私もつられて頭を下げた。
「桜野さん大丈夫?
ナツにいじめられてない?」
振ってきた話題に、私は思わずナツを見る。
その言い方が、二人の距離があまりないように感じさせるものだったから、
仲がいいのかなと思ったからなんだけど。
「いじめてなんかないし」
「えーでも桜野さんが怯えてね?」
「お、怯えてなんかないよ。ナツには助けてもらってる」
「助けているの間違いじゃね?」
ぽんぽんとした言葉の応酬のテンポが良くて、
いつしかみんなで笑い出していた。
その流れで大地もバーガーショップに行こうということになって、私たちはカバンを持って教室を出た。



