不潔!



「硬貨って汚いんだよ?

口に入れられるわけないじゃない!!」



ぷんすか怒った私に、一瞬だけ時が止まった海翔様は、次の瞬間、

腹を抱えて笑いだした。



ひとしきり笑ったあと、

「硬貨、か……口移しは嫌じゃないんだな」

と笑いをこらえながら言う海翔様の唇に目がいき、

昨日のキスを思い出してしまって、

意識してしまって、

どぎまぎと視線をさまよわせる。



その視線を固定させるかのように私の顔を覗きこみ、

「顔、赤いぞ?」

と艶やかに微笑むイジワルな顔付きに、

私はさらに真っ赤になる。



し、心臓が持たない……