少しは自惚れてもいいのだろうか?
海翔様の心の片隅に自分がいるかもしれないと。
そう思っても、きっと海翔様の気まぐれなのだろうという、諦めの気持ちもある。
あんなにモテるんだもん。
平々凡々以下の私じゃあ、なぐさみにもならない。
でも……
私は?
私の気持ちはどうなんだろう?
海翔様が好きなんだろうか。
昨日、初めて出逢ったばかりなのに。
会話だってうまくかみあわない。
おかしな二択を迫られたりしているのに。
強引にきわどい選択肢を並べたと思うと、するっと背を向けられて。
悪魔のような笑みと、
天使のような笑みを見せられて。
……海翔様の気持ちどころか、自分の気持ちもわかんない……
わかんないよ……
だから、その二択、
「もう、やめて……」
二択も、
からかうのも、
私の心を乱すのも、
「やめて……」



