スッと体が軽くなり、海翔様が上からどいたのだとわかった。



背を向けた彼は、

「ハムエッグ」

と言って私の方を振り返りもせずに部屋を出て行った。



な、なんなの……



気の抜けた私は、ごろんとベッドでうつ伏せになった。



安堵した反面、
期待外れに思ってる部分もあって、

自分で自分がわからなくなる。



ドキドキがおさまれば、わかるかな。



それとも、行き着くとこまで行ったら、わかるかな。



ぎゅっと握ったこぶしを、心臓にあてる。



苦しさをごまかすように、
強く強く押した。



――――――――…