スッと体が軽くなり、海翔様が上からどいたのだとわかった。
背を向けた彼は、
「ハムエッグ」
と言って私の方を振り返りもせずに部屋を出て行った。
な、なんなの……
気の抜けた私は、ごろんとベッドでうつ伏せになった。
安堵した反面、
期待外れに思ってる部分もあって、
自分で自分がわからなくなる。
ドキドキがおさまれば、わかるかな。
それとも、行き着くとこまで行ったら、わかるかな。
ぎゅっと握ったこぶしを、心臓にあてる。
苦しさをごまかすように、
強く強く押した。
――――――――…
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…