そんな花園さんから離れるように、

また海翔は私を引っ張り始める。



最初は姫香さんから逃れるために私から走り出したのだけど、

今は海翔のあとをついていってるだけで、どこへ向かっているのかさっぱりわからない。



「どこへ行くの?」



前を行く海翔へ声をかけた。



「さあ?」



振り向いて笑う海翔はイタズラを企んでるような、

イジワルな顔。



イジワルな俺様は、


私に行き先すら教える気はないらしい。



もしかしたら、海翔もわかってないのかもね。



私たちがこの先どこへ向かっていくのか、

わからない方が面白い。


わかってたら、つまんないじゃない?



恋人だからって全てわかる必要はないし、

わからないからこそ、


知りたくてわかりたくて、

会話もするし手も重ねるんでしょう?



だから、

秘密は適度にあった方が、いいかもね?



イジワルな俺様の秘密と、

私の秘密。



お互いのライフに欠かせないものに、

なりますように!