海翔を押し退け、前に出た。



視界の端には海翔が立ってて、

驚いた顔をしてたのがなんだか可笑しい。



でも直ぐに『仕方ないな』って言いそうな顔になったから、

それがちょっと嬉しかった。



わかってくれてるというか、

信頼されてるというか、

なんかそんな感じがして。



「骨は拾ってやるから」



ちょ……見捨てないでね!?



私の顔を見て吹き出すのはいつものこと。


だけどそれも、

信頼の証と感じる私。



そしてきっと間違ってないハズ。



「……本気ですか?」



探るような声色の魔女っ子に、

私は仮面越しにも見えやすいくらい、大きく頷く。



一瞬止まった空気。

その一瞬は、ひどく長く感じた。



ややあって、魔女っ子が溜め息をつく。



「それなら、仕方ないですね……」



身構えかけた私に彼女は言った。



「二人がそこまでの気概でいるなら、

男子たちの『びっくりドッキリ大作戦♪ ~私、こんなにモテモテになっちゃっていいの!? いいんです!!~』はとりやめます」



「ほ、ほんと?」


あまりの呆気なさに、疑心暗鬼な私たちへ、邪気のない笑顔を見せた。