パジャマなどを持って、部屋を出る。



廊下はぼんやりと灯りがついていたけど、なんだか……こ、こわい……



ごくっと鳴った私の喉の音があまりに大きくて、
私の心臓がビクンと跳ねた。



こういうときに思い出してはいけないのだけど、

「丑三つ時じゃん……」


ううう、泣きそう。



今日はお風呂我慢して、明日の朝に入ろうかな……



回れ右をしたときに、隣の部屋のドアがガチャリと開いた。



「……ッ!!」



恐怖のあまり、体がすくんで声を失った私に、のんびりとした声が聞こえた。



「まだ起きてたのか」



「か、海翔様……っ」



ドアノブを掴んだまま、私は安堵のあまり、その場にへなへなとへたりこんだ。



「うわ、どーした」



安心したからか、腰が抜けてしまった。



でもそれを言わないでいて、この場に取り残されたらもう明日の朝まで立てないかもしれない。


恥をしのんで、海翔様から顔を背けて言った。



「こ、腰抜けた……」



ううう、笑われるよーっっ