「そのぶん、なかなか進まないけどな」



まるで私が足を引っ張っているから進まないみたいな言い方をして、

ピンと軽く、私の額を指で弾く。



ぷっと膨れた私に、海翔が笑う。



失礼な、と思いながらも、私まで釣られて笑っちゃうようなそんな笑顔を向けられて、

なんだか幸せな気持ちになった。



言い訳させてもらえるなら、見本がないから、ピースを探すだけで一苦労なんだ。



見本があれば、手にしているピースがどの辺に使われているものなのか、

参考に出来るのに。



でもこうやって海翔に手伝ってもらっていると、

いつまででもパズルをしていたくなる。



完成も見たいけど、

完成して欲しくないような。



でも海翔と完成を見たいような。


二人でやりとげられたら、少しは素直になれるかな……