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「これはそっちだろ」


「えーっここじゃないの?」



海翔と二人、なんとなく優しい穏やかな雰囲気になった私たちは今、

海翔の部屋で、シュウさんに貰ったパズルをやっている。



私の部屋と間取りは全く同じなのに、少し広く感じるのは、

物が少ないからなのかもしれない。



床がスッキリとあいてるから、パズルもしやすい。



部屋に入るときはめちゃめちゃ緊張したんだけど、

パズルで気も紛れて段々慣れてきた。



意識しすぎてた私がアホかってくらい、

海翔の態度が変わらないのも、緊張をほぐす一因だった。



「あ、本当だ。ここだ」


はめたパズルに声を上げると、


「だろ?」


と笑顔が返される。



にこ、と笑った海翔のその笑顔は、

天使でも悪魔でもなくて、

等身大の男の子。



それがまた私を更にドキドキさせる。



それを隠すように、私はカラはしゃぎをして言った。



「この絵、なんだろうね?

絵がわからないパズルって、こんなにドキドキするもんなんだね」