あるべきはずのもの、
つまり手紙のようなものは入ってなくて、
入ってるとは思わなかったもの、
何か小さなかけらが見えた。
封筒をカサカサと逆さにして振って、手のひらに出したそれは、
一枚のジグソーパズル。
ちょっとしたお楽しみって、これ?
「パズルか……」
やってみようかな、パズル。
まんまと策略にハマったような気もするけど、
どんな絵が出てくるのか、ちょっと楽しみだったりもする。
指で摘まんで、なくさないように丁寧に封筒に戻した。
そして本鈴が鳴り、授業担の先生が入って来る。
私は封筒をそっとカバンに忍ばせ、パズルの模様に思いを馳せつつ、
教科書を開いた。



