別に、それが嘘かどうかはこの際気にしない。
言おうと思ってなかったことが、ポロッで出た感じで呟いてくれたのが、ちょっと嬉しい。
学校でなんてお目にかかれないことだろうから。
そんな仕草を私の前でしてくれるのが嬉しい。
意外に笑い上戸なとこも、きっと私しか知らない。
意外に照れ屋なとこも。
だから疑う気なんて、さらさらこれっぽっちもなかったのに。
「意外?──へぇ」
そう言って私の耳を自分の心臓のあたりへと押し付けるように、
優しく頭を抱え込んだ。
「な、ほんとだろ?」
聞こえてきた鼓動は、私の早い鼓動と、
もしかしたら同じくらい。
もしかしたら少し早いくらい。
ドキドキ、してる。
そんなリズムを聞きながら、私は「うん」と素直に頷いた。



