「まぁなー気持ちはわかるけどよ。
でもこれは俺らが選んだ道だし?」

「そうそ、この困難を乗り越えられたら、俺ら成長出来っかもよ?」

「そーゆーこと。
だから頑張ろうぜ?」

「一緒に、さ!」


「みんな……っ!!」



がしっと抱き合う男子たち。



うん。友情が深まったのはいいことだけど、

元々は私に対する最低な台詞が発端だからね?


忘れないんだからぁぁぁあ!!



私が、きいいっ! となっていると、ぴしゃんと生徒指導室の扉が閉められた。



扉を隔てた向こうで男子たちの友情は益々深められたらしく、

なんだか『万歳』の連呼が聞こえる。



そしておそらく軍歌だろうと思われる大合唱が始まった。



……なんで。



「おい、百面相キモいからやめてくれ」



「せ、先生までヒドイっっ!!」



先生は椅子に腰かけてちょいちょいと私を手招きする。



机を挟んだ向かい合わせの椅子へと座るように促され、私は大人しく椅子に座った。