うん、でも友達を売るわけにはいかない。



私は先生にナツのことは黙っていようと心に決めた。



そしていやに疲れる旅路もついに終着駅が来た。



結局あの男子は私に『好き』という二文字を言うことが出来ないまま、

生徒指導室の扉がガラリと開けられ、無情な

「おまえらもいい加減に教室へ戻れよー？
授業始まるぞー」

という先生の言葉で幕が閉じられてしまった。



「何やってんだよー」

「あーあ、結局一人も言えなかったじゃねぇか」


やいのやいのと騒ぐ中心にあの男子がいて、

なんだか可哀想になる。



先生に言って時間をとって貰おうかと思ったその時、男子がうなだれながら言った。



「だってまさかあんな普通以下の子だったなんて……
俺にだってプライドってもんが……！」



前言撤回。

ボコられてしまえ!!