「昨日の海翔さまの告白で、幹部も焦り出したんでしょうね。
クラスの男子にも息のかかったやつはいるし、
クラスや学年に関係なく、アヤを狙いにくるよ。
だからそれをなるべく早く教えたくて」
「ん、ありがとう、ナツ……」
沈んだ私を見て、ナツは心配そうに言った。
「で、どうする? これから」
「──さん」
「え?」
「許さーーんっっ!!」
キッとナツに視線を向け、
「人の恋路を邪魔するやつは、馬に蹴られてなんとやらよ!!
全く関係のない男子を当て馬にするなんて、酷いよ!
ナツ、親衛隊の幹部って誰だか知ってる?」
問い掛けた私にナツは頷いた。
「確かにアヤを好きな振りをしなきゃならないなんて、男子がかわいそうだわ」
……どういう意味。
私のネトッとした視線に気付き、すぐに破顔してきらきらとした瞳になる。
「ま、あたしの彼氏はそんなアホらしいことに参加しないからいーけどね」
……それより親友のピンチにひとこと下さいますか。



