―――――――…


「……不覚」



あれ、なにこれデジャヴ?



チュンチュンと雀がさえずる爽やかな朝に、夢の中へと舞い戻りたい女がひとり。



ええ、ええ、

現実逃避ですが何か!?



「あ、起きたのか、おはよう」



「オ、オハヨー」



いい加減カタコトじゃない朝の挨拶がしたいよ!



そんな心の叫びが聞こえるはずもなく、海翔はぎゅっと私を背後から抱き締めた。



「どうした元気ないな。

昨日、激しくしす──」

「あー! あー!! あーーーっ!!」



耳をふさいで、大声を張り上げる。



「昨日のこと、なかったことにする気だな?」



「聞こえなーいっ」



「……ガキか」



呆れまじりの顔をされようが、私は昨日のことを絶対に認めるわけにはいかない……っ!!