「だそうだけど?」
良くできましたとばかりに私の頭を撫でる海翔様の行動に、
教室中がざわめく。
恐怖を覚える鋭い視線たちに、海翔様はどこ吹く風。
そして固まったままの私。
その様子をじっと耐えるかのように見つめていた大地の顔に、チクリと心が痛む。
「……気に食わねぇ」
「君が気に食わなくても、それが彼女の出した答えだよ」
飛び交う言葉は私のことのはずなのに、
何を示しているのか、全くもってさっぱりわからない。
「アヤはそれでいいのか?」
不意に大地に名前を呼ばれ、私は訳もわからずに立ち尽くす。
「アヤはコイツになんかされたんだろ?
だから逃げるように隠れたんだろ?」



