ジージー
ミーン ミーン

「あっつぅ……。」

思わず出た言葉と共に、額の汗を拭った。
小学6年生、夏休み。
小学校最後の夏休みだ。

無地のタオルを手に持ち、タンクトップに短パン、水筒をかけて昆虫採集に出かける。



6年生なんだし、どうせならカッコイイのにしようと思い、展示品を昆虫採集にしたのだが、どうにも同じ考えのやつが多すぎて、暑い朝から出かけてなるべくレアな虫を捕ろうとしてるのだが……これが全然いない。



小さいカブトムシじゃカッコつかないし……お昼からまた捕ろうかな。
そう考えてると、ヒラヒラと何かが目の前を通った。