泣いた赤色、うたかたの青

だから──海に帰るのと少女は言った。


「元気でね、コウタ」


その手をつかんで、冷たい魚の体温を握りしめて

「だったら俺もおまえと一緒に村を出る」

と、私は言った。

「なに言ってるの?」

少女は灯火の揺れる目をいっぱいに見開いて、驚いたように私を見つめた。

「やっと望みが叶ったのに。これでコウタは、この村でみんなと仲良く暮らせるんだよ?」

「気づいたんだよ」

私は優しい人魚の体を抱きしめた。



「本当に大切なものは──ずっとそばにあった」