「マスター、今の話はひょっとして……」


あなたはカウンターに向かって問いかけようとするのだけれど

途中でやめて、残りのチャイを一息に飲み干して、コン、とテーブルの上にカップを置いた。


「ごちそうさまでした。とてもおいしかったです」


随分と長い夢の中に浸っていたようで、たった一杯のチャイを飲み干す間だけの短いおとぎ話だった。