泣いた赤色、うたかたの青

少年はどきどきしてしまって、

「髪や目なら……おまえのほうがきれいだろ」

ぶっきらぼうに、そっぽを向きながら言いました。


本当は青い髪や瞳ではなくて、

女の子が美しかったのです。


「ありがとう」と女の子は素直に微笑みました。

少年が見とれてしまうような、素敵な笑顔でした。


やがて、素敵な笑顔はいたずらっぽくなって、

「あたし、ここにいてもいいかな?」

と、女の子はかわいらしく首をかしげてききました。