少年には家族がありませんでした。


少年は生まれつき、
美しい赤い髪と
優しいブドウ色の瞳と
少し白くて赤い肌をしておりました。


それ以外は周りの人と何も変わりませんでしたが、

たったこれだけで、気味悪がられて捨てられてしまったのです。


こんな些細なことでも、

「人とは違っていること」

が嫌がられる、古い村でした。


山に捨てられた少年は、山奥に住んでいた猟師のおじいさんに拾われました。

おじいさんは、
少年の赤い髪も
ブドウ色の瞳も
桃色の肌の色も
まったく気にしませんでした。


おじいさんは少年に猟師の仕事を教えてくれて、大切に育ててくれましたが


彼が十と四の時に死んでしまって、少年はひとりぼっちになってしまったのでした。