「悠斗、どこかに行ってたの?」

「…ちょっとな。今日はバイトも早上がりだったから、付き合いで出掛けてた」


今の時間は午後10時半。


うーん、確かに遅いと言えば遅い時間だけど…。


私だってもう子供じゃないんだし。


「ねぇ…なんで怒ってるの?一人で夜道を歩いたりしたからとか?
ちゃんと、大通りを通ったし、危ない事なんてなかったし…大丈夫だったよ」

「…そんなの、たまたまだろ。なんかあったらマジで俺、おかしくなるっつーの」

は?

「つーか、そのヒラヒラの服とか、華奢なサンダルとか、ありえないんだけど」


「は、悠斗?」


「そんな男誘ってるような格好で、一人で歩いて家まで来るんじゃねぇよ…」


悠斗は大きなため息をついた。