彼女の一言だけで、理性が飛んだ。 「知らねぇぞ…もう…」 それから、亜矢を抱きあげてベットに降ろした。 好きで好きでたまんないのは、いつも俺の方だ。 彼女の素肌に直接触れて、 見た事のない亜矢の表情と、聞いた事のない亜矢の声に、 何度も意識が飛びかけた。 がっかりなんかする訳ないんだ。 怖かったのは俺の方で。 優しくできないんじゃないかとか、亜矢を傷つけてしまわないかとか。 余計な事ばかり考えていた。 ただ単に、抱きたくて仕方なかった。 亜矢が好きだから。