「あれ?」
放課後、起きたオレはある異変に気付いた…。
指輪が…ない。
あの指輪は、杏子とお揃いで買った、付き合い記念の…。
誰だよ!
「あんなオンナ、もー諦めればイイじゃん!」
その声は…
流嘉……。
「お前か?指輪取ったヤツは」
「だって……淳があんなオンナばっかり見てるから! …もう、諦めてよ……。」
流嘉は泣いていた。
オレのイライラは増す。
「指輪返せ」
「じゃあ……キス、シて?」
「無理だ」
オレは教室を出た。
「なんで……なんで杏子なのよぅ……」
ごめん。
フられても、杏子が好きなのは変わらないんだ。
ふと、オレの下駄箱に何か置いてあるのが見えた。
「……?」
コーヒー…?
と、置き手紙……。
【いつも遠くから電車で来てエライよ!!これは眠気覚まし。】
誰からだ?
「杏子だよ」
「…大樹!お前知ってんのか?」
「杏子チャンに思い伝えたら?」
「……行ってくる」
「購買の近く!」
「…サンキュ、大樹!」
いた!
杏子……。


